Royal College of Art · 社内業務データに基づく生成AIアシスタント

Workmate.AI

見えない調整業務を検証可能なAI同僚コンセプトへ

コミュニケーション支援、知識検索、能動的な業務追跡を一つのアシスタントにまとめました。

人は人生の約30%を働いて過ごします。OECDの調査によれば、労働者の約80%が精神的なストレスを抱えています。

体制と期間
Royal College of Artチーム · 3ヶ月
企業
Royal College of Art
Workmate.AIプロジェクト概要
範囲と背景詳細を見る

人は人生の約30%を働いて過ごします。OECDの調査によれば、労働者の約80%が精神的なストレスを抱えています。

業務のすり合わせに費やす過剰なコミュニケーションが、中核業務を残業へ押し出していることが分かりました。Workmate.AIはコミュニケーションの負担を減らし、知識検索ボットを提供します。これにより、社員が社内の情報や経験により均等にアクセスできるようになります。

企業Royal College of Art
役割 / スキルユーザー調査UX戦略UXデザイン
成果物サービス提案ユーザー調査の知見UXハイファイプロトタイプデモ
実施時期2024年3月 - 2024年7月 · 3ヶ月

背景

業務サイクル高速化が生んだ「第二の仕事」

この4年でリモート協業が広がり、SaaSツールが増え、納期も短くなりました。その結果、中核業務を取り巻く調整作業が大きく膨らみました。

  1. 01

    4年前

    プロジェクトの情報と意思決定の大半は、一部の会議とチームツールの中にとどまっていました。

  2. 02

    コロナ禍の転換

    リモートワークによってオンライン会議と文書での共有が増え、日々使う協業ツールの数も増えました。

  3. 03

    2年前

    並行するプロジェクトが増え、チームの動きも速くなりました。その結果、業務の進み具合や担当が予測しづらくなりました。

  4. 04

    現在

    文脈を探し、関係者と足並みをそろえる時間が増えています。一方で中核業務は定時の外へ押し出されています。

中核業務の時間を奪う調整業務

84%

定時外勤務を回答した社員

特に同僚の要望に応えるため

80%

プロダクトデザイナーの連絡・調整時間

3–4

同一業務で使う連絡ツール数

共有と担当がチャネルごとに分断されていた

10

インタビュー対象者

デザイナー5名・マネージャー3名・開発者2名

調査結果の意味を示したインタビュー

複数の職種にまたがる調査対象からは、残業と結びつく3つの見えない調整業務が繰り返し現れました。

01

調整がデザイン業務を圧迫

あるプロダクトデザイナーは、連絡とすり合わせが勤務時間の最大80%を占めることもあると見ていました。

02

知識は個人の人脈頼み

組織に役立つ知識があっても見つけにくく、参考になる資料や詳しい同僚を何度も探し直していました。

03

見えないプロジェクトの流れ

チームをまたぐ依頼、依存関係、遅れている業務を一つにまとめて見られる場所が、管理者にも担当者にもありませんでした。

04

私生活にまで及ぶ代償

頻繁な文脈の切り替えと時間外のすり合わせがストレスを高め、仕事の外の時間を削りました。

補足情報他1セクション

なぜ職場か

30%

生涯に占める労働時間

80%+

業務・精神ストレスを抱える労働者

87%

韓国のストレス報告値

79%

米国のストレス報告値

78%

英国のストレス報告値

役割と意思決定

製品方針を支えた意思決定

責務
混合手法のリサーチを、一貫したコンセプト、実際に動くプロトタイプ、提供戦略へ落とし込むこと。
意思決定
コミュニケーション支援、知識検索、能動的な業務追跡を一つのアシスタントにまとめました。
トレードオフ
機微な調整の判断を自動化せず、人による監督と信頼を見える形で残しました。
主導した領域
ユーザーリサーチ・UX戦略・UXデザイン. サービス提案, ユーザー調査の知見, UXハイファイプロトタイプ, デモ.

連絡と調整の非効率が生む業務増・負担増・満足度低下

01

過剰で重複した調整

水平的な組織では、勤務時間の80%がすり合わせの連絡に費やされることもあります。

02

関係者との非効率な連絡

同じ共有をツールごとに繰り返しても、報告は必要な人に届きません。

03

業務の予測と管理の難しさ

複数のプロジェクトを同時に抱えると、依存関係や優先度、遅れている業務が見えにくくなります。

04

低い評価への不安

社内の人脈が限られると、役立つ資料や専門家、組織に蓄積された経験へのアクセスに差が生まれます。

リサーチと戦略

どうすればコミュニケーションと調整を良くして、デザイナーがうまく協働できて、本来の仕事の時間も、仕事の満足度も、ワークライフバランスも高められるだろう?

仮説 · 機会から機能へ

リサーチで見つけた機会を一つずつ具体的な製品機能へ変え、ユーザーの根拠から設計判断までの筋道を保ちました。

  1. 01

    一度で共有

    どうすれば同じ調整を何度も繰り返さずに、関係する人みんなに状況を共有できるだろう?

    コミュニケーション支援

    急ぎの業務を起点に会話を始め、関係する人を見つけ、次に必要なすり合わせや会議の時間を提案します。

  2. 02

    資源格差の解消

    どうすれば資料や専門知識、組織の文脈に触れられるかどうかの差から生まれる成果の格差を減らせるだろう?

    知識ライブラリアン

    信頼できる社内の知識を検索し、関連する専門家を見つけ、人脈の外にある経験にも手が届くようにします。

  3. 03

    調整の簡素化

    どうすれば同時に走る複数のプロジェクトで、業務の調整を簡潔に、見えるかたちで、効果的にできるだろう?

    能動トラッカー

    プロジェクトと依頼を整理し、リスクや遅れている業務を表に出し、重要度と依存関係で優先順位を付けます。

補足情報他1セクション

ターゲットペルソナ:Joey

細かい修正とか、調整のたびの不毛なぶつかり合いが多くて、デザインそのものに集中できないんです。デザイナーとしてちゃんと成長できるのか、正直不安で。

Joey(32)はグローバルIT企業のシニアプロダクトデザイナーです。価値の高いデザイン判断に集中してキャリアを伸ばしたいと考えています。しかし会議や散らばった資料、繰り返されるすり合わせが中核業務を押しのけ、勤務時間を長くしています。

彼女が望むのは、見通しの立つ業務、たどり着ける組織の知識、そして広い人脈に頼らずに関係者と足並みをそろえられることです。

製品の根拠

Workmate.AI

業務の履歴と関係者の文脈を理解し、同僚のように関連する仕事を提案し、上司のように組織の知識を共有するAIの同僚です。

3つのサービス機能

01

コミュニケーション支援

緊急で関連の高いメールを起点に会話を始め、すり合わせのタスクを提案し、対話の流れの中で空いている会議時間を推薦します。

02

知識ライブラリアン

自然な会話で社内の知識を整理し、関連する社内の専門家を探し、プロジェクトの会議に使える空き時間を提案します。

03

能動トラッカー

業務データからプロジェクトとタスクを自動で整理し、依頼・すり合わせ・遅延をリアルタイムに表示します。さらにリスクと重要度でタスクの優先順位を付けます。

連絡・知識・追跡のプロトタイプ

Workmate.AIのコミュニケーションサポーターのプロトタイプ
コミュニケーション支援
Workmate.AIのナレッジライブラリアンのプロトタイプ
知識ライブラリアン
Workmate.AIのアクティブトラッカーのプロトタイプ
能動トラッカー

Workmate.AIデータフロー

許可された業務データは、連携した業務ツールから検索とガバナンスのレイヤーを通ります。そのうえでAIモデルが回答や推薦を生成します。

  1. 01

    業務データ源

    • ERP
    • メール
    • WhatsApp
    • Slack
    • KakaoTalk
    • Jira
    • Workplace
    • Asana
  2. 02

    Workmate体験

    • ダッシュボード
    • AI知識ボット
  3. 03

    検索・ガバナンス

    • ベクトル検索
    • プロンプト設計
    • コンテンツ権限設定
  4. 04

    モデル処理

    • Gemini
    • OpenAI
    • Meta
    • Kakao Brain
    • Naver
アウトプット
  • 知識検索
  • 社員検索
  • リスクベースの業務推薦
  • 調整支援
  • 日程調整

実ユーザー検証用のKakaoTalkデモ

プロダクトデザイナーが集まるRCAのサービスデザイン展示に向けて、デモを制作しました。チャネルにはKakaoTalkを使い、コミュニケーション支援と知識ライブラリアンのUXコンポーネントを適用しました。

デモにはサービスデザインのPDF、チームのCV、日程を保存しました。Elasticsearch BM25で内容に優先順位を付け、GPT-4 APIを呼び出して検索結果に基づく回答を生成しました。

反響が広げた対象と、明確になった信頼要件

一般公開の展示を通じて、コンセプトは当初想定していたIT企業の利用者を超えて広がりました。同時に、安全なデータ連携が製品の中心的な要件になりました。

01

用途の広がり

来場者は、個人のデザイナーや、小売・金融・教育など他業種で働く人にも価値があると受け止めました。

02

個人での利用

大企業のチームだけでなく、個人のデザイナーも支援できます。

03

自動化より信頼

AIの推薦に頼る前に、業務データを簡単に連携し、安全に守れる方法がほしいという声がありました。

04

2つの戦略方向

  • データ連携:簡単な接続・安全な管理・パーソナライズ
  • 個別提供:サブスクリプションと企業向けクラウド/オンプレミス

簡単な接続、安全な管理、意味のある個別化

Workmate.AIは個人にとって使い始めやすく、同時に企業チームにとって安全で運用できるものである必要があります。

01

簡単な接続

  • Single Sign-Onと情報統合で外部サービス連携を簡素化
  • 主要な生産性ツールへの即時アクセス
02

安全で簡単な管理

  • プライベートクラウド保管と複数リージョンでのバックアップ
  • 標準プロンプトで非専門家も知識ボットを利用可能
03

個別最適化

  • 各ユーザーの業務データに適応
  • 文脈に応じた提案と示唆のあるインサイトレポート
補足情報他1セクション

サブスクと企業向け提供の戦略

01

個人・プロジェクトチーム・100名未満の企業

  • Basic・Pro・Premiumのサブスクリプションプラン
  • 月額・年額の選択、割引、無料の入門プラン
  • 導入チュートリアル、24/7のコンタクトセンターサポート、ウェビナー、Q&Aセッション
02

100名超の企業

  • 企業向けクラウド/オンプレミス提供
  • レガシーシステムの全面連携、継続的な監視と保守
  • 専任アカウントマネージャー、社員研修、技術サポート、定期の最適化レポート

効果

検証済みコンセプトからMVPと事業検証へ

  1. Step 1 · デモ・プロトタイプ検証

      • Workmate.AI利用の有無による業務検索時間の比較
      • WBS作成時間の比較
      • 追加ユーザーセグメントへのインタビュー
      • 検証結果の製品改善への反映
  2. Step 2 · MVP提供

      • 要件と製品方針の確定
      • UXデザインとUXQAの完了
      • 最小限の安全なデータ連携フローの構築
      • 自動化拡大前の信頼性検証
  3. Step 3 · 事業開発

      • 業種別の重要ニーズ特定
      • 運用コストに対する価格検証
      • 営業・導入用ツールキットの整備
      • 共同開発パートナーとアクセラレーターの発掘

リサーチ・公開検証・実働デモが支えた提案

アンケートで立てた仮説は、インタビューでその背景が見えて初めて意味を持ちました。

一般公開の展示では、当初想定していなかった人や業種から反応が集まり、チームの視野が広がりました。

実際に触れるデモがあったことで、使い勝手についての生の声が集まり、サービスと事業戦略にそのまま反映できました。