Kakao Enterprise · AIデータ・コンテンツ管理SaaS基盤

Kakao i Dataverse

分断されたツールからAI対応データ基盤へ

データガバナンス、分析、ローコード運用、RAGによる提供を一つのSaaSプラットフォームにまとめました。

Kakao i Dataverseは、コンテンツとデータを管理するためのSaaSプラットフォームです。メタデータ検索とベクトル検索をRAGと組み合わせ、AIの回答を生成します。

体制と期間
XFN SaaSチーム · 6フェーズ / 18スプリント
企業
Kakao Enterprise
Kakao i Dataverseプロジェクト概要
範囲と背景詳細を見る

Kakao i Dataverseは、コンテンツとデータを管理するためのSaaSプラットフォームです。メタデータ検索とベクトル検索をRAGと組み合わせ、AIの回答を生成します。

B2B2Cのプロジェクトから発展したもので、開発者でない担当者でも最小限の工数でAIサービスを管理・連携・運用できます。

企業Kakao Enterprise
役割 / スキルProduct ManagerProduct Designer
成果物製品戦略ロードマップUXデザインAPIアーキテクチャ
実施時期2022年2月 - 2023年8月 · 6フェーズ / 18スプリント

背景

生成AI導入、実験から一般普及へ加速

日次のアクティブ利用は急速に伸びていました。企業が自社データを整備・統制し、AIサービスへつなぐ現実的な手段を近く必要とする兆しでした。

計測期間中にDAUは2Mから12Mへ

日次利用者の増加

  1. 2M

    DAU

    2022年11月

  2. 12M

    DAU

    2023年1月

もたらした変化プロダクトへの示唆:個別のチャットボット案件にとどまらず、再利用できるデータ・コンテンツ運用プラットフォームへ。

出典: SimilarWeb, ARK Invest

個別チャットボット案件の枠を超える3つのシグナル

ツールの分散、連携ニーズ、生成AIの導入が重なり、共通データプラットフォームの機会が明確になりました。

  1. 01

    分散したデータ管理ツール

    データツールが8つに分かれており、社内ボットの運用負担が増えていました。

    年間運用コスト 約$2.5M
  2. 02

    データ連携需要の拡大

    パートナーは、自社のデータを自社サービスへ滞りなくつなぐことを求めていました。

    Kakao i Connectパートナー100%が連携要望
  3. 03

    生成AI導入の強い需要

    ChatGPTの登場後、パートナーは既存のチャットボットを生成AIモデルにつなぎたいと考えるようになりました。

    パートナー90%が生成AIボット導入予定

出典: パートナーヒアリングと基盤運用分析

問題定義とニーズ定義

大きな課題は、ボットとデータの管理者が大量のデータを扱いきれず、そのうえボットやサービスで活用することも難しかった点です。

  1. 04

    データの変化とユーザージャーニーを把握しづらい

    データがしょっちゅう変わるので全体像がつかみにくくて、しかもユーザーがそのデータをどう使っているのかも見えないんです。

    データダッシュボードとフロー分析

    UXフローによって、データの変化と統計をはっきり見えるようにします。

  2. 05

    AIボットへのデータ活用が難しい

    データを使ってボットを良くしたり、生成AIを入れたりしたいんですけど、どこから手をつければいいのか分からなくて。

    ボット・サービス連携とRAG AIボットビルダー

    サービスとボットを一か所で管理し、分かりやすいUXで生成AIを構築します。

  3. 06

    開発スキルが限られ、データ管理が難しい

    データ担当なのに、開発者からもらった統計を扱うだけなので、ちゃんとデータを管理するのが難しいんです。

    ローコードデータ管理システム

    シンプルなUXでデータを提供し、検索エンジンを管理します。

役割と意思決定

製品方針を支えた意思決定

責務
プラットフォームの方向性を定義し、運用担当者とAI専門家とともに検証し、6つのフェーズの開発をリードしました。
意思決定
データガバナンス、分析、ローコード運用、RAGによる提供を一つのSaaSプラットフォームにまとめました。
トレードオフ
ノーコードの分かりやすさと、技術チームが求めるガバナンスや連携の深さを両立させました。
主導した領域
Product Manager · Product Designer. 製品戦略ロードマップ, UXデザイン, APIアーキテクチャ.
どうすればボット管理者が、既存のボットも生成AIのボットも、まとめて楽に管理・運用・改善できるだろう?

リサーチと戦略

関係者インタビュー、PoC、ニーズ定義

01

関係者インタビュー5件

  • Kakao AI LabのLLMモデル研究者
  • Kakao検索エンジンのリードエンジニア
  • Kakao AICCサービスのProduct Owner
  • NH Investmentのチャットボット担当
  • Hey Kakaoの顧客対応担当
02

PoC案件3件

  • Hey KakaoとKakao Workの株式ボットに生成応答を統合
  • AICC SaaSに生成応答機能を実装
  • NH Investment & Securitiesの株式ボットにAI回答を実装
03

定義したニーズ4つ

  • コード不要のデータ・コンテンツ保管とリアルタイム連携
  • 社内データをモデル学習に使わせない専用リポジトリ
  • フロー・離脱・コンバージョンを監視するリアルタイム分析
  • メンバーごとの役割ベースCRUD権限

株式知識検索と生成AIボット

B2B SaaSでは、実際のエンドユーザーによる検証が欠かせません。ただし、その接点はパートナーの導入状況に左右されます。そこでPoC案件を入り口にパートナーを巻き込み、ユーザーとともにプロダクトを検証しました。

株式知識の検索と生成AIのボットから、定量・定性の両面でフィードバックを継続的に集めました。

  • タスク所要時間
  • 成功率
  • プロセス満足度
  • データ処理の安定性:量と速度
  • サービス連携数

PoC構築とユーザーの声

ユーザーからは、CSVの一括アップロード、開発者以外にも分かりやすいツールチップ、そしてメタデータ設定を簡単に済ませたあと手軽にデプロイできることが求められました。

DataverseのPoCテストとユーザーフィードバック
PoC検証とフィードバック
補足情報他2セクション

明確な指針で、目標と意思決定を可視化

01

見える形で共有

課題と決定事項は、プロジェクトチャンネルに@allメンションで共有します。

02

即時ミーティング

さらに議論が必要なときは、すぐに追加のミーティングを依頼します。

03

確実な返答

質問や依頼は、次のデイリースクラムまでに確認して返答します。

目標を揃え、課題を出し、スプリントを締める反復サイクル

  1. 01

    スプリントキックオフ

    スプリントの目標をそろえ、優先順位をチーム全員に見える状態にします。

  2. 02

    モジュール日次スクラム

    モジュールごとの進捗を共有し、課題を早めに出し、対応する担当を決めます。

  3. 03

    チーム週次スクラム

    モジュール間の進捗を確認し、レビュー前に依存関係を解消します。

  4. 04

    スプリントレビュー

    スプリントの進め方を振り返り、次のスプリントの目標を決めます。

レビュー結果は次回キックオフへ直結

製品の根拠

Dataverseを顧客サービスへ直結するREST API

顧客は基盤を作り直すことなく、チャネルを再利用可能な検索、コンテンツ管理、AI学習の機能につなげられます。

  1. 01

    サービスチャネル

    • KakaoTalk
    • 音声アシスタント
    • Jira
    • WhatsApp
    • Facebook
    • Instagram
    • Slack
    • LINE
    • カスタムチャネル
  2. 02

    Kakao i Dataverse

    • メタデータ収集
    • 構造化検索
    • ベクトル検索
    • OCR
    • STT
    • コンテンツ権限設定
    • テスト環境
    • 応答調整
    • プロンプト設計
  3. 03

    LLM処理

    • Meta
    • Kakao Brain
    • OpenAI

Kakao i Dataverse

データとコンテンツを保管・管理・連携し、生成AIへつなぐローコードのSaaSプラットフォームです。

Kakao i Dataverseの製品概要
基盤概要

統合ダッシュボード

リアルタイムのステータスカードと1クリックでの詳細表示により、すべてのデータとコンテンツを一つの画面で追えます。

ツールチップが、開発者以外のユーザーの機能理解を助けます。リストとステータス表示では、同期の期限、連携中のボットとサービス、有効期限、現在の状態を確認できます。

Dataverseの統合データ詳細画面
統合データ詳細
Dataverseのリアルタイム状態カード
リアルタイム状態カード
Dataverseの同期・有効期限の状態一覧
同期・期限の状態
Dataverseの連携サービス状態の詳細
連携サービス詳細

UXフロー起点のデータ分析

サンキー図は、ユーザーがどのようにデータへアクセスし、操作しているかを段階ごとに可視化します。利用のパターンと離脱が起きる地点が見えてきます。

ホバーすると、ページを離れずに要約統計を確認できます。折れ線、円、棒などのグラフが、大きなデータの傾向をつかみやすくします。

Kakao i Dataverseのサンキー分析ダッシュボード全体
分析ビュー全体
Dataverseのサンキー図で利用フローにホバーした詳細表示
ホバー詳細と離脱根拠
Dataverseのインサイト図表と統計
補助インサイト図表

検索インデックス・メタデータ管理

独自の検索インデックスとルールを作成し、自社の検索サービスを運用できます。

キーワードと形態素のデータを一括でアップロードし、代表となるデータセットを選んでバブルを追加すると、検索ルールが作れます。

Dataverseの検索インデックス管理の概要
検索インデックス管理
Dataverseのカスタム検索インデックスルール
検索ルール

生成AI管理

App Keyを使えば、一つの画面で複数のボットをデータに接続できます。テスト環境と本番環境のデプロイを分けているため、連携の検証も安全に行えます。

保存したデータは、構造化検索、ベクトル検索、LLMにつなげられます。プロンプトテストで公開前に回答を確認でき、アノテーションによって生成ボットを継続的に運用できます。

Dataverseのボットデータ管理とデプロイ
ボットデータ管理とデプロイ
プロンプトのテストとデータアノテーション
プロンプトと注釈

効果

行動・取引・連携サービスで測る持続性

ユーザー行動、データのトランザクション、連携サービスを軸にKPIを定義し、プラットフォームを継続的に改善しながら運用できるようにしました。

10社のパートナーはモビリティ、金融、リテール、公共、IoTの各領域にわたり、Hyundai Motors、NH Investment、GS Retail、Daiso、Sejong Self-Governing City、Samsung、Komexが含まれます。

4

利用行動指標

ボタンのクリック、フローの成功、作業にかかった時間、そして実際のVOC

+30%

利用フロー成功

-20%

所要時間

500,000

月間データ処理数

10

複数領域のパートナー

70+

連携ボット・サービス

Hey Kakaoプラットフォームのボット60件、パートナーボット7件以上、パートナーサービス5件以上